夜の闇の中にチロチロ光る電飾
浅草の町に妙に馴染んでいるタイの雰囲気がムンムン漂う店構え。夜の闇の中にチロチロ光る電飾が哀愁を誘うタイ料理イサーンにやって来た。
今回、タイ料理探検隊が出合った料理は『チムチュム鍋』だ。ピンク色の壁が落ち着く店内に入り席に着くと、目の前に運ばれて来たのは、今から3000年前の弥生時代にでも使われていたかのような茶色の土器の鍋。
白い皿に美しく盛られた野菜とシイタケと肉。肉は牛肉、鶏肉、豚肉の肩ロース、豚肉のトントロの4種類。卵を肉と混ぜると肉の味がまろやかになるそうだ。タレはナンプラー、レモン、カオクワ(お米を炒ったもの)、チリパウダーが入り、スープはレモングラス、こぶみかん、カー、出汁が入っている。
「火を点けますがよろしいですか?」と聞かれ、何とも答えようのないまま黙って頷くと、土器の下に火を点けられた。スープが沸騰してきて、野菜とシイタケと肉を投入。肉はあっという間に食べごろの色に変わる。それを特製のタレを入れたスープと一緒に食べる。旨い。食べると口の中が辛味と共にレモングラスでスーッとする感じが何とも言えない。黙って食べ進めると額に汗が滲みだす。遥か3000年前の人々もこのようにして食事をしていたかもしれないと想像すると感慨深い。見た目も食べた感じも申し分なく大満足。タイ料理店は冬場は客足が遠のくと言われているが、このメニューがあれば冬場もタイ料理店は安泰だろう。日本のタイ料理店の未来は明るい。
山田キティヤポーンさん(タイ王国チョンブリ県サタヒップ出身)
チムチュム鍋1人前2,500円(税込)で2名から。
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【店名】タイ料理イサーン
【住所】東京都台東区浅草2-17-3 吉野マンション1階
【経路】つくばエクスプレス「浅草駅」より2分
【電話】03-5246-4613
【時間】17:00~翌5:00
【休日】日曜日
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